日本では毎年約600万トンの食べ物が、 食べられるにもかかわらず捨てられてい る(食品ロス)と推計されています 。食品ロスの半分が事業系、半分が家庭から排出され、家庭から排出される食品ロスは毎年6万円相当と見積もられています。廃棄された食品を 処理するための費用が税金から支払わ れることを考えると、家計的にはダブルパンチ!!
 そこで、食品ロス対策として、家庭でできる対策とスーパーやコンビニ経営者への提案を主婦&ファイナンシャルプランナー視点でまとめてみました。

家庭でできる食品ロス対策

 家庭でできる食品ロス対策は、大きく2つに分けられます。購入管理(入口)と消費管理(出口)です。それぞれについて、効果的な対策をまとめてみました。

購入管理

 食品ロスにつながる無駄な買い物の元凶は、毎日もしくは数日おきに買い物をすることです。安いものが目に入るとついつい買ってしまうのが主婦の性。「お買い得品」、「半額」とあると無視できない性格の私はスーパーに行く回数を減らすよう努力しています。

一気購入・・・買い物はまとめて行う

  冷蔵庫など家族の目につく場所にメモ用紙を貼り、気づいたときに買うものをメモします。家族にも必要な買い物があれば書いてもらいます。
 1カ月に1回程度、メモに記載されたものを一気購入します。購入する店や日は、大型スーパーの特売日です。私の場合は、イオンで一気に購入します。イオンの株主優待とお客様感謝デーを併用すれば最大12%の割引になります(2019年現在)。とてもおすすめです。
 また、肉や冷凍食品など冷凍保存が効く食材は、一気購入の時にまとめ買いをします。まとめて買って小分けして冷凍保存しておきます。

消費期限の短いものは、必要の都度、近所のスーパーやコンビニで購入

 唐突ですが、あなたの1時間はいくらですか?
 安いからといって、遠くのスーパーに車で買い物に行っていませんか。その場合、 買い物に費やす時間とスーパーまでの交通費が全て経費としてプラスされます。余分な経費を削減するため、魚や野菜、牛乳など保存が消費期限の短いものは、多少高くても近くのスーパーやコンビニで買いましょう。多くの方が、近くで買った方が安くつきますよ。
 また、Amazonなどのネットショップを上手に利用するのも手ですね。

消費管理

 消費管理の最大のポイントは「食べ物の見える化」です。食材がたくさん詰まった冷蔵庫では消費期限が切れたことが判りません。見える化させるため、月に1回は冷蔵庫や食糧庫の棚卸をしましょう。
 第一の棚卸の具体的な方法として、私は、一気購入の1週間から10日くらい前の日からほとんど買い物せず、ひたすら冷蔵庫等のものを利用して料理をしています。これで一気購入の日までには、ほとんどの食材が消費でき冷蔵庫の中がスッキリしてきます。
 第二の棚卸の具体的な方法は「闇カレー」です。どうしても消費できず残った食材は、フードプロセッサーで細かくしてカレーの具にしてしまいます。カレーは強い味と香りがあるのでほとんどの食材を受け入れてくれます。もしかしたら、カレーの新しい隠し味が見つかるかもしれません。この「闇カレー」で冷蔵庫の食材はもちろんのこと乾物などもかなり消費でき、「食べ物の見える化」はほぼ終了すると思います。
 なお、棚卸とは少々異なりますが、私は野菜くずや葉野菜の外葉を塩漬け又は冷凍しておき「闇カレー」や「餃子の具」として利用しています。本来なら捨ててしまうものを食材として利用することは、一歩先に進んだ食品ロス対策だと思います。

闇カレー
闇カレーをかわいらしく装飾

その他のメリット

 冷蔵庫は詰めすぎず、冷庫はほどほどに詰まっているほうが電気を使いません。特に冷蔵庫の通風孔を塞ぐように物を置くのはNGです。効果的な冷蔵庫の利用で年1,000円程度は節約できるそうです。冷蔵庫の棚卸効果で電気代も節約できます。
 食品ロスによる経済負担も問題ですが、私は、子供たちが食品ロスに慣れてしまうことを恐ろしく感じます。親が率先して食品ロスを減らし、世界から賞賛を受けた日本人の「もったいない精神」を子供達に伝えてほしいと思います。

食品ロス対策で節約したお金を使って家族旅行でもどうですか

 家庭でできる食品ロス対策に家族の協力が必要なことは言うまでもありません。食品ロスの削減で約6万円/年、月1回の一気購入で数万円/年、合計で10万円近く節約できますので、節約したお金でドライブや家族旅行でもいかがでしょうか。何かご褒美があると家族も協力してくれるようになりますよ。

うちの節約神様・ぴよ仙人(左)と冬瓜たち
うちの節約神様「ぴよ仙人貯金箱」(左)と「ぴよ仙人貯金箱」を模した冬瓜たち

 

スーパーやコンビニ経営者への提案

POSを利用して自動的に割引できるようにしてほしい

 コンビニでお弁当を購入しようとしたとき、買おうとしたお弁当の消費期限切れがレジで分かり、お弁当を交換してもらった経験があります。「なぜ、消費期限切れが分かったのか」後でネットで調べてみると、商品の消費期限等をPOSシステムで管理しているためでした。
 企業側での食品ロスを減らす方策は、期限切れが近い商品から順に消費者に買ってもらうことが効果的です。買ってもらうためには消費者に何らかのメリットを与えなければなりません。
 消費者へのメリットとしては値引きが有効です。POSシステムを使って、期限が迫るにつれ値引き率が徐々に高くするような設定にできないのでしょうか。この設定にしておけば、 スーパーやコンビニは期限が近い商品を手前側に並べておくだけで消費者が勝手に期限が近いものから順に購入してくれると思います。

自動的に割引になるメリット

 このシステムが実現すれば様々なメリットがあると思います。大きなメリットとしては、在庫管理の手間減少、値引きシール貼りの人件費削減でしょうか。また、値引きを自社ポイントで還元すれば、電子マネーの普及と顧客の抱え込みにも成功します。
 メリットばかりだと思うのですが、私がひいきにしているイオンで 、今後、 導入されませんかねぇ。