ジビエ、カラスやカワウの駆除、イノシシの止めさし用として空気銃(エアライフル)が欲しくなりました。空気銃で狩猟等をするには、第一種銃猟狩猟免許又は第二種銃猟狩猟免許と空気銃の銃砲所持許可証が必要です。

第一種銃猟狩猟免許の取得は比較的簡単でしたが、空気銃の銃砲所持許可証をもらうにはかなり苦労しました。そこで、私が愛知県で空気銃の銃砲所持許可証を取得するまでに苦労したことを書いてみました。

狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃に使うライフルや散弾銃、空気銃の猟銃等所持許可申請の窓口は、住所地の警察署生活安全課(以下、警察署)になります。

銃猟狩猟免許を取得した後、空気銃の銃砲所持許可を取得するまでの全体の流れは次のとおりです。空気銃猟の魅力や手続きについて、概略を知りたい方は「エアライフルの教科書」をオススメします。

空気銃の銃砲所持許可証をもらうまでの全体の流れ

第一種銃猟狩猟免許又は第二種銃猟狩猟免許を取得した後に空気銃の銃砲所持許可証をもらうことになります。順序を間違えないで下さい。銃砲所持許可証をもらうまでの全体の流れは以下のとおりです。

  1. 警察署での面接を数回受ける。
  2. 猟銃等講習会(初心者)を受講し、試験に合格する。
  3. 所持予定の空気銃の仮押さえする。
  4. 空気銃の銃砲所持許可申請をする。
  5. 所持資格調査を受ける。
  6. 銃砲所持許可証を警察署から受け取り、銃砲店で空気銃を受け取る。
  7. 所持する空気銃を警察署に提示する。

この流れを見て「面倒だな」と思ったら、空気銃を持つことを諦めた方が良いでしょう。
時間とお金を無駄にします😞

1.警察署での面接

当然のことですが、治安を守る警察としては、民間人になるべく銃砲を持ってほしくはないでしょう。そのため、猟銃等講習会(初心者)の受講申請をする前に3回の面接を受けました。

まず、警察署に面接の電話予約をして1回目の面接を受けました。面接で性格、犯罪歴、身辺状況、所持動機などのヒアリングがあり、次回の面接までに親、兄弟、夫、子供の了解を取るよう言われました。

数週間後に電話で2回目の面接予約。そのまた数週間後に電話で3回目の面接予約です。2回目以降の面接では、「前回面接時の課題への回答」「前回の受け答えと矛盾はないか」「所持動機は強いか」「どんな空気銃を所持予定か」などを聞かれました。

面接で聞かれた主な内容は以下のとおりです。特に「所持の動機は強いか」「問題を起こしそうな性格・状況でないか」を重点に面接(観察)されたように思います。

  • 仕事は何をしているのか。
  • 前科前歴はないか(前科とは有罪判決を受けた経歴。罰金刑であっても有罪であれば前科になります。前歴とは有罪判決に至らない犯罪歴です)。
  • DV、ストーカー歴はないか。
  • 近隣トラブルはないか。
  • 精神病ではないか。健康状態はどうか。
  • 銃を所持するのに支障がある身体的欠損はあるか。
  • アルコール中毒、薬物中毒ではないか。
  • 借金はあるか。貯金額はいくらか。
  • 自殺する可能性はあるか。
  • 家族仲、夫婦仲は良いか。同居親族や近隣住民に問題はないか。
  • 家族や親族(2親等)の承認は取ったか。家族や親族からは何と言われたか。
  • 近隣への聞き取り調査をするが良いか。
  • 具体的にどのような銃を所持したいのか。
  • 銃はどこに保管するのか。
  • 銃を所持したい動機は何か。などなど

面接を受ける際は、身分証明書や銃猟狩猟免許の他、狩猟や有害鳥獣駆除の実績等を示す資料も持参すると良いと思います。

私は、運転免許証、第一種銃猟狩猟免許、有害鳥獣駆除の巡回記録、有害鳥獣駆除の実績写真を提示しました。加えて、ジビエに強い興味があることを示すため愛知県野生鳥獣肉の衛生管理技術講習会終了証も提示しました。

2.猟銃等講習会(初心者)を受講し、筆記試験に合格する

無事に面接を終了すると猟銃等講習会(初心者)を受講して良い旨の了解がもらえます。了解がもらえたら、都道府県警のホームページで猟銃等講習会の開催予定を確認し、必要書類を整えて受講申請をします。私が申請した時は、コロナの影響もあってか定員、講習回数ともに少なくホームページで開催予定が発表後、定員に達してすぐに締め切られました。

受講申請時に猟銃等取扱読本がもらえます。読本のみで試験に合格するのは難しいと思います。試験に合格するには過去問を解くのが必須です。私は一発合格とはなりませんでした。しっかり勉強しないと判断できない問題があり、それが合否を分けると思って下さい。

猟銃等講習会(初心者)の受講には手間もお金もメンタル面の負荷もかかります。オススメは「猟銃等講習会(初心者講習)考査 絶対合格テキスト&予想模擬試験5回分」と「猟銃等講習会試験対策例題集 III 」の2冊の参考書です。

3.所持予定の空気銃の仮押さえ

筆記試験に合格すると講習修了証明書が交付されます。この有効期間は3年間です。有効期間内に銃砲店で銃の手配を済ませ、銃砲店から譲渡承諾書を受領します。合わせてガンロッカーの購入・設置も行いましょう。

ガンロッカー設置にあたっては、先輩猟師からのアドバイスで防犯ベルをつけてた方が良いとのこと。そのため、中古の防犯ベルを設置しました。

加えて、ダメ押しでペット用の監視カメラも設置しました。Wi-Fiがある環境ならばパソコンに弱い私にも簡単に設置できました。ちなみに私のWi-FiはSoftBank Airです。

4.空気銃の銃砲所持許可申請

次の手続の銃砲所持許可申請には、様々な添付書類が必要です。教本にも必要書類が書いてありますが、書類をどう書いてよいかわかりません。私は銃砲店や先輩猟師に聞きました。

また、教本に書いていない書類も必要です。注意してください。以下に提出した書類の一覧を記載しておきます。

猟銃等取扱読本に記載してある書類

  • 銃砲所持許可申請書
  • 同上の別紙
  • 銃砲店でもらった譲渡等承諾書
  • 申請人の写真2枚
  • 本籍地の記載がある世帯全員の住民票の写し
  • 講習修了証明書の原本提示。コピー提出。
  • 経歴書
  • 精神保健指定医・かかりつけ医等のいずれかが作成した診断書
  • 同居親族書
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書

猟銃等取扱読本に記載してない書類

  • 所持する空気銃のカタログページのコピー
  • 猟銃等又はクロスボウ保管状況報告書
  • 同上のガンロッカー設置場所見取り図、写真
  • 銃猟狩猟免許の原本提示。コピー提出。
  • 身辺調査をする参考資料として聞かれるので、職場、近隣住民、知人2人の合計4名の氏名、住所、電話番号を把握しておく。

必要な書類を整えたら、警察署に電話予約をして申請書類の確認を受けます。

5.所持資格調査を受ける

申請書が受理されてしばらくすると、身辺調査の参考資料として聞かれた職場、近隣住民、知人2人の計4人への私の素行の聞き取り調査が行われます。

私の場合は、職場と知人2人は電話での調査でした。知人としては猟師の先輩にお願いしました。次に近隣住民へはガンロッカーの設置状況確認と合わせて面談での調査が行われました。

特に悪いことはしてませんが、自分の評価が聞かれていると思うと少し不安な気持ちになります🥺

6.銃砲所持許可証を警察から受け取り、銃砲店で空気銃を受け取る。

無事に所持資格調査が終了すると銃砲所持許可証を警察署まで取りに来るよう連絡があります。銃砲所持許可申請をしてから1~2カ月後になるようです。私の場合は、2カ月弱かかりました。

銃砲所持許可証の受け取りには、身分証明書(運転免許書など)が必要です。

銃砲所持許可証を受け取ったら、銃砲店に所持許可証を提示して空気銃と譲渡証を受け取ります。

7.所持する空気銃を所轄の警察署生活安全課に提示

銃砲店で空気銃を受け取った後、14日以内に警察署で空気銃の現物確認をしてもらいます。現物確認には以下のものが必要です。銃砲所持許可証は絶対に忘れないで下さい。忘れた場合、銃刀法違反になり、所持許可証が取消になってしまいます。

  • 空気銃(ケースに入れて目立たないように持ち運ぶ)
  • 銃砲所持許可証(空気銃を忘れてもいいが、これは絶対に忘れてはいけない)
  • 譲渡証の原本提示、コピー提出。

現物確認が終われば、これで終了です。このあとは年に1回の検査と、銃砲所持許可の交付から3回目の誕生日前の更新です。

次は空気銃の射撃場に行ったことをブログに綴りたいと思います。