冬は寒くて、外で運動したくないですよね(>_<)。そんな私が、お勧めする冬の外での運動は「竹林整備」です。澄んだ冬の空気の中での山仕事は気分爽快。

私が老後の冬の運動として「竹林整備」をお勧めする理由は、「ほとんどお金がかからない上、竹は軽いので体力が無くても作業ができる」「運動だけでなく、お土産も」「冬だからこそ竹林整備」の3つです。

また、近年、過疎化や都市のスポンジ化から放置竹林が問題となっており、放置竹林が有害鳥獣の温床となっています。竹林整備は自身の体力維持だけでなく、有害鳥獣対策にもつながります。

ほとんどお金がかからない上、運動効果抜群

運動をするには、私設のトレーニングジムなら数万円、公設でも1回数百円と経費が掛かりますよね。外の運動でもジョギングや散歩では、達成感も少なく何だか物足りません。

でも、竹林整備は装備を整えたら「ゼロ円」で始められ、鉈の使い方を覚えたり、作業の段取りを考えることで「杣人(そまびと)」に一歩近づいたような達成感も感じられます。

竹林整備に必要な主な装備は、ジャージ上下、防寒ベスト、防寒ズボン、ヤッケ上着、長靴、手袋、鋸の7点です。

  • ジャージ上下:トレーニングやジョギングに利用しているものでOK。
  • 防寒ベスト:ジャージの上に着ます。作業すると暑くなるので安物で大丈夫です。
  • 防寒ズボン:ベルトや小物入れがある方が便利です。
  • ヤッケ上着と長靴:ヤッケ上着はベストの上に着ます。汚れ防止です。ヤッケ上着と長靴は、ホームセンターで合計2,000円以下で揃うでしょう。
  • 手袋:薄手で滑らないものを選んでください。
  • 鋸:切れないとイライラしますので良いものを選びましょう。私のお勧めするの鋸は以下のものです。手に吸い付くような握り心地で、力が入りやすくスイスイ切れます。

装備には、鋸以外、手持ちの物を利用すれば、ほとんどお金がかかりません。また、整備するたびに竹林がキレイになっていくのを見ると、何とも言えない達成感を味わえます。

私が竹林整備を始めたきっかけは、娘の友人のお爺ちゃんが竹林整備に手が回らず困っているという話を聞いたからです。私もタケノコを荒らすイノシシの生態を勉強したく竹林整備に興味がありました。

そのため、お試しボランティアのつもりで竹林整備を始めました。始めてみると、空気が澄んでいて美味しく、静かで鳥のさえずりが響き渡り、竹林内で食べるお弁当が格別でした。また、適度なアップダウンもあり運動効果抜群です。

「放置竹林なんてそんなに問題なの?」と思われるかもしれません。実は、放置竹林で困っている人はたくさんいるようです。自治体レベルでも問題となっている所が多いようです。竹林を何とか資源として生かせないかという本もいろいろ出ています。

「ゼロ円」「運動効果抜群」「達成感を味わえる」竹林整備を、老後の冬の運動にお勧めします。

運動だけではなく、お土産も

返報性の原理」というのをご存知でしょうか。人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くことだそうです。見返りを期待して竹林整備を始めたわけではありませんが、地域の方々から新鮮な野菜を貰うことが多くなりました。

野菜は時期になるとたくさん実り、作りすぎると豊作貧乏になります。農家の方々はやむを得ず形の悪い野菜や消費しきれない野菜を廃棄します。廃棄するのにも手間が掛かります。適当に廃棄すると、廃棄野菜は鳥獣の餌となり、廃棄野菜の味を覚えた鳥獣が売り物の野菜を荒らし獣害を発生させるのです。

以下の本には、獣害の原因を分析し、その対策が提案されています。とても興味深く読ませて頂きました。獣害は中山間地だけの問題ではなく、都市部にも関わりのある問題なのです。

「え!獣害は中山間地の問題では?。」と多くの方が思われるかもしれません。でも、近年、街中にイノシシ出現のニュースや、野生動物由来の感染症など、有害鳥獣による被害は、食害だけではなく、人への危害や感染症も引き起こす可能性があるのです。

ボランティアで竹林整備をして野菜を頂く。この関係は、農家の方も私もお互いにメリットがあるのです。

竹林整備は冬の時期にやるのが効果的

冬に竹林整備を行うメリットは2つあります。1つには、冬は危険な動物が姿を消し、安全に作業でき、空気が澄んでいて心も体も気持ちがいいからです。2つには、冬に竹を切ると、根から竹を枯らす効果があり、竹林整備が効果的に進むからです。

冬以外に野山に入ると、蚊や蛇など不快で危険な動物に遭遇してしまいます。冬には、ほとんどの動物が姿を消し、現れるのは鳥ぐらいなものです。冬は湿気が少なく、竹林が適度に風を弱めてくれるため、柔らかで澄んだ空気を全身で感じることができます。

また、「竹 徹底活用術」によると、竹を地面から1mほどで切断しておくと、根が枯れ、竹が根本から抜け、竹の生息量を減らす効果があるそうです。私も現在、実験中です。今後が楽しみです。

竹1m切り
根元から1mで竹を切ると、竹は切られことに気づかず、栄養を送り続け、枯死する

冬は、作業環境が快適で、整備の効果が現れやすく、最も効果的な時期なのです。加えて、竹林で食べるお弁当は格別ですが、食後のお昼寝も最高です。現在は、切り出した竹を並べて、竹ベットでお昼寝しています。今後は竹細工にも挑戦しようかと思っています。

竹林整備のボランティア先を探す 

ここまで読んで頂けた方は、「じゃあ、どうやって竹林整備のボランティアを申し込んだらいいの」と思われるでしょう。ネットで「竹林 間伐 ボランティア」と検索してみて下さい。運が良ければ、近くのボランティア組織があるかもしれません。

残念ながら、良いボランティア組織が無い場合は、友人や友人の伝手を頼って探すしかありません。竹林の地主としても、ボランティアが知り合いであれば安心でしょう。

今後、放置竹林の問題が大きくなり、自治体が主体となって動いてくれることを期待しています。